この記事でわかること
  • 断水・停電や排水管の破損で、水洗トイレが使えなくなることがあること
  • 我慢は脱水やエコノミークラス症候群につながりやすく、トイレの備えは健康を守ること
  • 携帯トイレの必要数の目安と使い方、衛生やマンションでの注意点

なぜ困る?

地震や水害が起きると、断水や停電のほか、排水管の破損で水を流せなくなることがあり、いつもの水洗トイレが使えなくなる場合があります。電気で動くタイプのトイレは、停電だけでも使えなくなることがあります。

こうしたとき、避難所のトイレも数が足りず、不衛生になりやすいといわれます。トイレは一日に何度も使うものだからこそ、止まってしまうと暮らしに大きく響きます。だからこそ、食べ物や水と同じように、トイレの備えを見落とさないことが大切です。停電・断水への備えとあわせて考えておくと安心です。

我慢の危険

トイレが使いにくいと、つい回数を減らそうとして水分や食事を控えがちになります。けれども、これは体にとって大きな負担になりかねません。

  • 脱水や便秘:水分や食事を減らすと、体調を崩しやすくなります。
  • エコノミークラス症候群:水分不足や同じ姿勢が続くと、足などに血のかたまりができ、健康を損なうおそれがあるとされています。

つまり、トイレの備えは「命と健康を守る備え」でもあります。我慢せずにすむ環境をあらかじめ整えておくことが、結果として体調を守ることにつながります。

携帯トイレを備える

家庭でできる中心的な備えが、携帯トイレ(簡易トイレ)です。多くは、洋式便器にかぶせると、排せつ物を固める凝固剤がセットになっています。必要な数は、次のような考え方で見積もるとよいとされています。

項目目安考え方
1人あたりの回数1日およそ5回あくまで目安。体調や状況で変わります
備える日数最低3日分/できれば1週間分支援が届くまでの期間を見込んで
計算のしかた5回 × 日数 × 家族の人数例として、家族の人数分をまとめて用意

数値はいずれも目安です。必要数は家族構成や状況で変わるため、お住まいの自治体の案内もあわせてご確認ください。

携帯トイレだけでなく、トイレットペーパー・ビニール袋・手指消毒(アルコールやウェットティッシュ)・消臭剤もあわせて備えておくと安心です。どれくらい備えるかは、在宅避難の備蓄の考え方を参考に、無理のない範囲で少しずつそろえていきましょう。

使い方と衛生

水が流せないときは、便器に袋をかぶせて使い、用を足したら凝固剤で固めて口をしっかりしばるのが基本的な使い方です。固めたあとは、自治体の指示に従って可燃ごみとして保管・処分します。収集が止まっている間は、においや衛生に気をつけて保管しておきます。

  • 用を足す前に、便器へ袋をかぶせる
  • 使ったあとは凝固剤で固め、口をしばる
  • 消臭剤やビニール袋を使い、においと衛生に配慮する
  • 処分の方法やタイミングは、自治体の案内に従う
衛生も忘れずに
水が使えないときは、手を洗えないことも多くなります。アルコールやウェットティッシュでの手指消毒を、トイレの前後に習慣づけておきましょう。トイレットペーパーやビニール袋も、少し多めに備えておくと安心です。

マンション・集合住宅の注意

マンションなどの集合住宅では、もう一つ気をつけたいことがあります。地震のあとは、建物の配管が壊れている可能性があるためです。

見た目に異常がなくても、安全が確認できるまではむやみに水を流さないようにします。配管が破損していると、流した水が階下に漏れてしまうおそれがあるためです。管理組合や自治体による点検・指示を待ち、それまでは携帯トイレを使うようにしましょう。

まずは安全の確認を
流せるかどうか分からないときは、流さずに携帯トイレで対応するのが安心です。建物全体に関わることなので、自己判断で流さず、管理組合や自治体の案内を確認しましょう。

まとめ

災害では、断水・停電や配管の破損で水洗トイレが使えなくなることがあります。我慢せずにすむよう携帯トイレを備え、1人1日およそ5回を目安に家族の人数・日数分(最低3日、できれば1週間)を用意し、凝固剤で固めて自治体の指示どおりに処分する。そして集合住宅では、安全が確認できるまで水を流さない——この備えが、いざというときの暮らしと健康を支えます。防災の基本持ち出し品の準備とあわせて、少しずつ整えておきましょう。

参考:内閣府、お住まいの自治体。必要数は家族構成や状況で変わります。最新の備えの目安や処分方法は自治体の案内をご確認ください。

いざというときも、できるだけ落ち着いて過ごせるように。その備えを、あんしんくらしがそっとお手伝いします。