- 在宅避難という選択肢
- 品目ごとの備蓄量の目安(何を・どれだけ)
- ローリングストックの具体的な回し方
- 見落としがちな備えと、置き場所・点検のコツ
① 在宅避難とは
在宅避難とは、自宅が安全なら避難所に行かず自宅で過ごすという選択です。住み慣れた環境でプライバシーを保ちやすく、感染症のリスクも避けやすい一方、停電や断水でライフラインが止まることもあります。
だからこそ、家に備蓄を用意しておくことが欠かせません。備蓄や持ち出し、家族の決めごとを含めた全体像は防災の基本にまとめています。ここでは「自宅にとどまる」前提で、何を・どれだけそろえ、どう続けるかを順番に見ていきましょう。むずかしく考えず、できるところから整えれば大丈夫です。
② 何を・どれだけそろえるか
備蓄の量は最低3日分、できれば1週間分が目安です。下の表は大人1人あたりのおおよその目安で、家族の人数分を用意するのが基本です。年齢や体格、地域によって必要量は変わるので、あくまで出発点として使ってください。
| 品目 | 1人あたりの目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 水(飲料・調理) | 1日3L × 3〜7日分 | もっとも優先。飲み水と調理に使う |
| 主食(米・パックご飯・乾麺など) | 1日3食 × 3〜7日分 | そのまま/少しの加熱で食べられるものを |
| レトルト・缶詰・即席汁物 | 1日2〜3食分 | おかずや汁物で栄養と満足感を補う |
| カセットコンロ・ボンベ | ボンベ6〜9本/週 | 停電・ガス停止でも温かい food を作れる |
| 簡易(携帯)トイレ | 1日5回 × 3〜7日分 | 断水時に最も困る。家族分を多めに |
| 衛生用品 | 適量 | ウェットティッシュ、マスク、ポリ袋、消毒など |
| 常備薬・救急用品 | 数日〜1週間分 | 持病の薬とお薬手帳の写しを忘れずに |
| 乳幼児・高齢者向け | 必要に応じて | ミルク・おむつ・離乳食・大人用おむつなど |
数値はすべて目安です。必要量は世帯の人数・年齢・体格・地域で変わります。最新は各公式情報でご確認ください。
食料は「特別な防災食」をそろえる必要はありません。ふだん食べ慣れたものを中心にすると、いざというときも食べやすく、無理なく続けられます。
③ ローリングストックの回し方
ローリングストックは、ふだんの食品を少し多めに持ち、食べた分を買い足して常に一定量をキープする方法です。賞味期限切れで捨てるムダが減り、特別な出費もほとんどかかりません。手順はとてもシンプルです。
- ① 少し多めに買う:ふだんの買い物に、レトルトや缶詰、水などを「もう1つ」プラスする
- ② 古いものから使う:棚の手前=賞味期限が近いものから、日常の食事で消費する
- ③ 使った分を補充する:減ったら同じだけ買い足し、新しいものは棚の奥へ。これで在庫が一定に保たれる
ポイントは「買う→食べる→補充する」を生活の中で回すこと。月に一度、在庫をざっと見て期限の近いものを使い切るようにすると、自然と備蓄が更新されていきます。
④ 見落としがちな備え
食料は意識しても、つい後回しになりがちなのが次の3つです。災害時に本当に困りやすいのはこのあたりなので、優先して備えておきましょう。
- 水とトイレ:断水すると飲み水だけでなくトイレも流せなくなります。簡易トイレは家族の人数 × 日数で、やや多めに(災害時のトイレの備えでくわしく解説しています)
- カセットコンロ・ボンベ:電気もガスも止まったとき、お湯を沸かすだけで食事も心もずいぶん落ち着きます
- 電池・モバイルバッテリー:明かりと情報・連絡の生命線。乾電池の予備と、充電済みのモバイルバッテリーを用意
⑤ 置き場所と定期点検
そろえた備蓄は、置き場所と点検までセットにして初めて役に立ちます。次の2つを意識しておきましょう。
- 分散して保管する:1か所にまとめず、キッチン・押し入れ・車などに分けると、一部が取り出せなくても困りにくい
- 年1〜2回、定期点検する:防災の日(9月1日)など日を決めて、賞味期限・電池の残量・水の状態をまとめて確認する
点検のタイミングで、家族構成の変化(子どもの成長、高齢の親との同居など)に合わせて中身を見直すと、ムダなく実情に合った備えを保てます。
まとめ
在宅避難の備えは、品目ごとの目安で「何を・どれだけ」を押さえ、ローリングストックで無理なく続けるのがコツです。まずは見落としがちな水と簡易トイレから。分散して保管し、年1〜2回点検すれば、いざというときに頼れる備えになります。完璧を目指さず、少しずつで大丈夫です。
参考:内閣府(防災情報)、農林水産省(家庭備蓄)、消防庁。必要量は世帯や地域で異なります。最新は各公式でご確認ください。