この記事でわかること
  • 終活は「何から」始めればいい?(全体像と進め方)
  • エンディングノート・お金・相続・お墓・医療の備え方
  • 困ったときの公的な相談先

終活とは?まず全体像から

終活とは、人生の終わりに向けた準備のこと。ただ「死の準備」というより、残りの人生を自分らしく過ごし、遺される家族の負担を減らすための前向きな準備です。完璧を目指す必要はありません。できることから、少しずつで大丈夫です。

終活でよく挙がるのは、次の6つです。

  • エンディングノートを書く
  • お金(口座・保険・年金)とデジタルの整理
  • 相続・遺言の準備
  • お墓・お葬式の希望を決める
  • 医療・介護の意思表示(人生会議)
  • モノの整理(生前整理)

どれから始めても構いませんが、いちばん手をつけやすいのはエンディングノート。書きながら「何が整理できていないか」が見えてきます。書き方はエンディングノートの書き方でくわしく紹介しています。

① エンディングノートを書く

エンディングノートは、自分の情報や希望を家族に伝えておくためのノートです。決まった形式はなく、市販のもの、自治体が無料配布しているもの、アプリなどさまざま。書いておくと役立つ項目の例は次のとおりです。

  • 自分の基本情報(本籍・マイナンバーの保管場所など)
  • 加入している保険・年金
  • 銀行口座・証券・引き落としの一覧
  • 契約中のサブスク・デジタル情報(IDやパスワードの在りか)
  • 医療・介護の希望、お葬式・お墓の希望
  • 家族・友人の連絡先、伝えたいメッセージ
大事な注意:法的効力はありません
エンディングノートは気軽に始められるのが利点ですが、遺言書のような法的効力はありません。財産の分け方を法的に指定したい場合は、後述の「遺言」が必要です。まずは書ける項目から、鉛筆書きでも大丈夫です。

② お金とデジタルの整理

家族がいちばん困るのが「どこに何があるか分からない」こと。口座・保険・年金・証券を一覧にして、保管場所をわかるようにしておきましょう。使っていない口座や、入りっぱなしのサブスクは、この機会に整理を。

見落としがちなのがデジタル終活。スマホ・パソコン・SNS・各種サブスクのIDやパスワードは、本人にしか分からないことが多く、解約や手続きで家族が苦労します。保管場所を家族に伝えておきましょう(紙に書く場合は保管に注意)。

使っていないサブスクの棚卸しには 解約リマインダー が便利です。更新日や無料期間を登録して、ムダな支払いを止めるところから始められます。

③ 相続・遺言の準備

相続で家族がもめないために大切なのは、財産を把握しておくことと、希望があれば遺言を残しておくことです。遺言には主に2つの種類があります。

  • 自筆証書遺言:自分で書く方式。費用はかからないが、書き方の要件が厳格。
  • 公正証書遺言:公証役場で作成する方式。費用はかかるが、要件不備や紛失の心配が少なく確実。

2020年からは、法務局が自筆証書遺言を預かる「自筆証書遺言書保管制度」が始まりました。紛失・改ざんの心配がなく、家庭裁判所の検認も不要になるなどの利点があります(法務省)。遺言の種類や進め方は相続・遺言の準備でくわしく解説しています。

なお相続税には基礎控除があり、課税されない家庭も少なくありません。金額や要件は変わることがあるため、具体的な計算や対策は国税庁の情報や、税理士などの専門家に確認してください。

話しにくいからこそ、元気なうちに
「自分が亡くなったあとのこと」は切り出しにくい話題です。でも、元気なうちに家族で共有しておくほど、いざという時のもめごとや手続きの負担はぐっと小さくなります。

④ お墓・お葬式の準備

お葬式(一般葬・家族葬・直葬など)も、お墓(一般墓・納骨堂・樹木葬・永代供養など)も、近年は形が多様になっています。費用は形式や地域で大きく差が出るため、気になる場合は複数の見積もりを取り、内容を比べて選びましょう。

元気なうちに自分で形式を決めて契約・予約しておく「生前契約」も増えています。お墓を継ぐ人がいない場合は、墓じまいや永代供養も選択肢です。費用や条件は必ず「目安」として複数を比較してください。

⑤ 医療・介護の意思表示(人生会議)

もしものとき、どんな医療やケアを望むかを、元気なうちに家族や医療・介護の担当者と話し合っておく取り組みを「人生会議(ACP:アドバンス・ケア・プランニング)」といい、厚生労働省が普及をすすめています。

延命治療を望むか、どこで療養したいか、判断できなくなったとき誰に託すか—— 考えや希望は変わってよいものなので、一度きりでなく、繰り返し話し合うことが大切です。認知症などで判断が難しくなる前に、早めに始めておくと安心です。

介護そのものの備えは 介護トップ 、認知症に向けたお金と契約の備えは 認知症の備え でくわしく解説しています。

困ったときの相談先

ひとりで抱え込まず、公的な窓口や専門家を頼りましょう。

  • 市区町村の窓口・地域包括支援センター:高齢者の暮らし全般の総合相談に対応。
  • 専門家:相続・遺言は弁護士・司法書士、相続税は税理士、書類作成は行政書士、お金の整理はファイナンシャルプランナーなど。
  • 消費生活センター:お墓や葬儀などの契約トラブルの相談に。消費者ホットライン 188(いやや!)で最寄りの窓口につながります。

参考:法務省「自筆証書遺言書保管制度」、厚生労働省「人生会議(ACP)」、国税庁「相続税」など。制度や金額は変わることがあるため、最新の内容は各公式サイトや専門家でご確認ください。

まとめ

終活は、こわいものでも、急いで全部やるものでもありません。エンディングノートやお金の一覧づくりなど、手をつけやすいところから一つずつ。そして、家族と少しずつ話し合っていくことが、いちばんの備えになります。

あんしんくらしは、あなたと家族の「これから」の準備に、やさしく寄り添います。