この記事でわかること
  • 相続でもめないために、まず何をすればいい?
  • 遺言の種類(自筆証書・公正証書)と選び方
  • 相続・遺言・相続税の相談先

① まず財産を把握する

相続で家族がもめる原因の多くは、「どこに何があるか分からない」こと。まずは財産を一覧にして把握することから始めましょう。次のようなものを書き出しておくと、いざという時に家族が困りません。

  • 不動産(土地・建物)
  • 預貯金(銀行・口座の一覧)
  • 証券(株式・投資信託など)
  • 保険(生命保険・個人年金など)
  • 借入・ローンなどのマイナスの財産

ポイントは、プラスの財産だけでなくマイナスの財産(借入)も含めて一覧にすること。そのうえで、保管場所がわかるように家族と共有しておくと安心です。

② 遺言の種類

財産を「誰に、どう遺すか」を自分の希望どおりに決めたい場合は、遺言が有効です。遺言には主に2つの種類があります。

  • 自筆証書遺言:自分で書く方式。費用はかからないが、書き方の要件が厳格で、不備があると無効になることがある。
  • 公正証書遺言:公証役場で作成する方式。費用はかかるが、内容が確実で、紛失の心配が少ない。

エンディングノートには法的効力がないため、財産の分け方を法的に指定したい場合は、希望どおりに遺すための遺言を用意しておくとよいでしょう。

なお、配偶者や子など一定の相続人には、法律で最低限の取り分(遺留分)が保障されています。これを下回る内容の遺言は、あとから請求を受けることがあるため、偏った分け方をしたいときは専門家に相談しながら決めると安心です。

③ 自筆証書遺言書保管制度

2020年からは、法務局が自筆証書遺言を預かる「自筆証書遺言書保管制度」が始まりました。これは法務省の制度です。

この制度を利用すると、紛失や改ざんの心配がなく、また家庭裁判所の検認も不要になるなどの利点があります(法務省)。自筆証書遺言を考えている場合は、選択肢のひとつとして知っておくとよいでしょう。

④ 相談先

相続税には基礎控除があり、課税されない家庭も少なくありません。ただし金額や要件は変わることがあるため、具体的な計算や対策は国税庁の情報や、税理士などの専門家に確認してください。

ひとりで抱え込まず、内容に応じて次のような専門家を頼りましょう。

  • 弁護士・司法書士:相続・遺言の相談や手続きに。
  • 税理士:相続税の計算や申告に。
  • 行政書士:書類の作成に。

相続税のしくみは相続税の基礎、借金が多い場合の相続放棄の基礎、判断能力が低下したときの備えは認知症に備えるお金の管理もあわせてご覧ください。

話しにくいからこそ、元気なうちに
「自分が亡くなったあとのこと」は切り出しにくい話題です。でも、元気なうちに家族で共有しておくほど、いざという時のもめごとや手続きの負担はぐっと小さくなります。財産の一覧や希望は、早めに少しずつ伝えていきましょう。
終活の全体像は終活の始め方に、お墓・お葬式の準備はお墓・お葬式の準備にまとめています。

参考:法務省「自筆証書遺言書保管制度」、国税庁「相続税」など。制度や金額は変わることがあるため、最新の内容は各公式サイトや専門家でご確認ください。

まとめ

相続の備えは、まず財産を把握して家族と共有することから。そして希望があれば、遺言で意思を残しておくことで、家族がもめたり迷ったりする負担を減らせます。

制度や相続税の要件は変わることがあります。判断に迷うときは、ひとりで抱え込まず、公的な情報や専門家を頼りながら、元気なうちに少しずつ準備を進めましょう。