この記事でわかること
  • 買い物がしづらくなる背景と「食品アクセス問題」という考え方
  • ネットスーパー・生協の宅配・移動販売・買い物代行などの特徴
  • 本人に合う選び方の視点と、家族ができる手伝い

買い物がしづらくなる背景

近くのスーパーや商店が閉店した、運転免許を返納して車が使えなくなった、体力が落ちて重い荷物を運ぶのがつらい――高齢になると、日々の買い物は思いのほか大変になります。

こうした「食料品の買い物に不便や苦労を感じる」状況は「食品アクセス問題」と呼ばれ、農林水産省も対策に取り組んでいます。多くの自治体が対策の必要性を認識しているとされ、地域ごとにさまざまな支援やサービスが生まれています。買い物は毎日の食事に直結するため、「行けなくなってから」ではなく、大変になってきた段階で選択肢を知っておくことが大切です。車の運転をやめた後の外出全般については、運転をやめた後の移動手段もあわせてご覧ください。

主な選択肢

買い物を支えるサービスには、それぞれ持ち味があります。代表的な選択肢を見比べてみましょう。

選択肢特徴向いている人(例)
ネットスーパー品ぞろえが多く、配達の時間帯を指定しやすいスマホやパソコンでの注文に抵抗がない
生協(コープ)の宅配決まった曜日に届く定期便。紙のカタログと注文用紙でも頼めて、高齢の方にもなじみやすいカタログでじっくり選びたい
移動販売・移動スーパー家の近くまで来てくれて、実物を見て選べる外に出て、自分の目で選びたい
買い物代行・家事支援頼んだ品物を代わりに買って届けてもらえる。ヘルパーや民間サービスなど外出そのものがむずかしい

名称やサービスの内容は地域・事業者によって異なります。一般的な特徴の例としてご覧ください。

このほか、自治体や社会福祉協議会(社協)が、店までの送迎や買い物への同行、地域の助け合いによる買い物支援を行っている場合もあります。食事そのものを届けてもらう配食サービス・宅配弁当も、あわせて検討したい選択肢です。

選ぶときの視点

どのサービスが合うかは、本人の暮らしぶりや得意・不得意によって変わります。次のような視点で見比べてみましょう。

  • 注文方法が本人に合うか:電話・紙(カタログ・注文用紙)・アプリのどれなら無理なく続けられるか。アプリで注文するなら、親のスマホ環境を整えることも一緒に考えましょう。
  • 配達の頻度:定期的に届くのか、必要なときに頼めるのか。食事の量や冷蔵庫の様子に合うか。
  • 支払い方法:現金・口座振替・カードなど、本人が扱いやすい方法を選べるか。
  • 見守りを兼ねられるか:手渡しでの受け取りや定期的な訪問が、離れて暮らす家族の安心材料になることもあります。
迷ったら「今の買い物の何が大変か」から
「店まで行けない」のか、「荷物が重い」のか、「レジや支払いが不安」なのか。大変な部分がどこかによって、合う選択肢は変わります。本人の様子をよく聞いてから選ぶと、遠回りが少なくなります。

家族ができる手伝い

こうしたサービスは、本人だけで始めるにはハードルが高いこともあります。家族ができる手伝いは、意外とたくさんあります。

  • 初回の設定を手伝う:会員登録や支払い方法の設定など、最初につまずきやすい部分を、帰省したときなどに一緒に。
  • 注文を代行する:ネットスーパーなどは、離れて暮らす家族が代わりに注文して親の家に届けてもらう、という使い方もできます。
  • 帰省時にまとめ買い:日持ちする食品や重い物をまとめて買っておき、冷凍などで備えておく。

手伝うときは、本人の「自分で選びたい」という気持ちを尊重することも忘れずに。買い物は楽しみや外出のきっかけでもあります。すべてを代行するのではなく、大変な部分だけをそっと支える形のほうが、長続きしやすいでしょう。離れて暮らしている場合は、遠距離介護の進め方もあわせて参考にしてください。

まとめ

買い物が大変になることは、だれにでも起こり得る暮らしの変化です。ネットスーパー、生協の宅配、移動販売、買い物代行、自治体や社協の支援――選択肢は思っているより多くあります。本人に合う注文方法・配達の頻度・支払い方法を軸に、無理なく続けられる形を選ぶこと。そして、大変な部分だけを家族がそっと支えることが、長続きのコツです。

参考:農林水産省(食品アクセス問題ポータルサイト)、お住まいの自治体・社会福祉協議会。サービスの有無や内容は地域によって異なるため、最新の情報は各事業者・お住まいの窓口でご確認ください。

「買い物が大変」は、暮らし方を見直すサインでもあります。あなたとご家族に合う形を見つけられるよう、あんしんくらしがそっとお手伝いします。