- 車がなくても使える移動手段の選択肢
- 自分の地域で使えるサービスの調べ方
- 外出を減らさない工夫と、家族ができるサポート
移動手段の選択肢
運転をやめるかどうかの判断や、自主返納の手続き・運転経歴証明書のことは 高齢ドライバーと免許返納 で整理しています。この記事では、車を手放した「そのあと」の足の確保に絞って見ていきます。使えるものは地域で異なりますが、代表的な選択肢は次のとおりです。
| 手段 | 特徴 | こんなときに |
|---|---|---|
| 路線バス・コミュニティバス | コミュニティバスは自治体が運行に関わり、低運賃のことが多い | 停留所まで歩ける人の日常の移動に |
| デマンド型交通・乗合タクシー | 予約制で、自宅の近くまで来てくれる地域もある | バス停まで歩くのが大変なときに |
| タクシー | 自治体の運賃助成や、運転経歴証明書の提示で割引がある場合も | 通院など確実に移動したいときに |
| 家族の送迎・送迎ボランティア | 社会福祉協議会やNPOなどが送迎を担う地域もある | 近くに支え手がいるときに |
| 介護保険の「通院等乗降介助」 | 要介護認定を受けている人が対象になる場合がある | 通院の乗り降りに介助が必要なときに |
サービスの有無や運賃・助成の条件は地域で大きく異なり、ない地域もあります。最新はお住まいの市区町村や各事業者でご確認ください。
このうち「通院等乗降介助」は、通院などの際に車への乗り降りや移動の介助を受けられる訪問介護のサービスで、要介護認定を受けている人が対象になる場合があります。利用できるかどうかはケアマネジャーや市区町村に確認を。制度のあらましは 介護保険の使い方・申請 で整理しています。
地域の移動手段の調べ方
同じ市区町村でも、地区によって走っているバスや使えるサービスは違います。次の窓口で「住んでいる地区で使える移動手段」をまとめて確認するのが近道です。
- 市区町村の広報紙・ウェブサイト・担当窓口:コミュニティバスの時刻表や乗合タクシーの予約方法、タクシー運賃助成の案内が載ることが多い
- 地域包括支援センター:高齢者の暮らし全般の相談窓口。地域の送迎ボランティアなどの情報を教えてもらえることも
- バス・タクシーの事業者:高齢者向けの割引や乗り方の案内など、会社ごとのサービスを確認できる
国も、国土交通省を中心に地域公共交通の確保・維持に取り組んでおり、予約して使うデマンド型交通のような新しい仕組みを取り入れる地域が増えつつあります。「うちの地域には何もない」と思い込まず、一度調べてみる価値があります。
外出を減らさない工夫
車がなくなると、つい外出そのものが減りがちです。けれど、閉じこもりは体力や気力の低下につながりやすく、移動手段の確保とあわせて「外出を続ける工夫」も大切になります。
- すべてを移動で解決しない:重い荷物になる買い物は宅配・ネットスーパー・移動販売と組み合わせ、外出は「人に会う」「散歩する」ためにも使う
- 通院は移動とセットで計画する:バスの本数が多い時間帯や乗合タクシーの予約に合わせて受診すると、負担が減る
- 歩ける範囲を見直す:徒歩圏のお店・診療所・郵便局を書き出してみると、「車がなくてもできること」が意外と見えてくる
買い物のしかたを組み立て直すコツは 高齢者の買い物支援 で紹介しています。
家族ができること
新しい移動手段は、本人にとって「初めてのことだらけ」です。最初の一歩を家族が一緒に踏み出すと、その後もぐっと使い続けやすくなります。
- 時刻表や予約方法を一緒に確認する:よく使う路線や予約先の電話番号を、大きな字のメモにして電話のそばに貼っておく
- 一度一緒に乗ってみる:乗り場や支払い方に慣れておくと、一人でも利用しやすくなる
- スマホの配車アプリや乗換案内の設定を手伝う:帰省のときなどに一緒に練習しておくと、選択肢が広がる
- 送迎の分担を話し合う:家族だけで抱え込まず、ボランティアや有料のサービスも組み合わせる
まとめ
車を手放したあとの暮らしは、一つの手段で全部をまかなうのではなく、バス・乗合タクシー・タクシーの助成・宅配などを用途ごとに組み合わせるのがコツです。使えるサービスは地域で大きく異なるため、市区町村の窓口や地域包括支援センターで確認しながら、本人に合う組み合わせを家族で一緒に見つけていきましょう。外出の機会を減らさないことが、心と体の元気を保つことにもつながります。
参考:国土交通省(地域公共交通)、警察庁(運転経歴証明書)、お住まいの自治体。サービスの有無や内容は地域で異なります。最新は各窓口でご確認ください。