この記事でわかること
  • 遺族年金をふまえた親の死亡保障の考え方
  • 学資・教育費の備え方(学資保険だけにこだわらない)
  • 子ども医療費助成をふまえた子どもの医療

① 親の死亡保障

子育て世帯の保険でいちばん大切なのが、親にもしものことがあったとき、子の生活費と教育費を守れるかという視点です。子どもが小さいほど、これから必要になる生活費・教育費は大きくなります。

会社員などが亡くなった場合、残された家族には遺族年金という公的保障があります。まずはこれを前提に、足りない分だけを民間の死亡保障で備えるのが、ムダのない考え方です。子どもの独立とともに必要額は減っていくため、保障は厚いままにせず、節目で見直しましょう。

見直しのきっかけになりやすいのは、第二子の誕生・住宅の購入・子どもの進学や独立・配偶者の働き方の変化といったライフイベントです。たとえば住宅ローンを組むときに団体信用生命保険に加入していれば、もしものときの住居費の負担はその分軽くなるため、死亡保障を上乗せしすぎなくてよい場合もあります。 反対に、共働きをやめて収入が一本になったときなどは、必要額が増えることもあります。家計の状況が変わったら、保障額が今の暮らしに合っているかを確かめる習慣をつけておくと安心です。

いくら備えればよいかの考え方は 死亡保障はいくら必要? で、「不足分」での求め方をくわしく紹介しています。

② 働けなくなったときの備え

見落とされやすいのが、親が亡くなるのではなく、病気やケガで長く働けなくなったときの備えです。子育て世帯では、収入が減っても生活費や教育費の支出は続くため、こちらのほうが家計への影響が大きいこともあります。

ここでも、まず土台になるのは公的な保障です。会社員などであれば、病気やケガで仕事を休んだときに傷病手当金が受けられる場合があり、障害が残ったときには障害年金という支えもあります。こうした公的な保障でどこまでまかなえるかを確認したうえで、足りない分を就業不能保険や収入保障保険などで補う、という順で考えると過不足が見えやすくなります。

自営業・フリーランスは手厚めに
自営業やフリーランスの方は、会社員と比べて傷病手当金などの公的な支えが薄くなりがちです。働けない期間が家計に直結しやすいぶん、当面の生活費を貯蓄で確保することや、必要に応じた備えを検討する優先度が高くなります。

③ 学資・教育費

教育費の備えとしてよく挙がるのが学資保険です。学資保険は、お金を積み立てる貯蓄と、契約者(親)にもしものことがあったときの保障がセットになった商品です。

ただし、「学資保険=必ずお得」というわけではありません。預貯金やNISA・iDeCoなど、お金を準備する手段はほかにもあります。それぞれ仕組みやリスク・使い勝手が違うので、学資保険だけに決めつけず、ほかの手段とも比べて選ぶことが大切です。必要額の見立ては教育費の準備もあわせてご覧ください。

目的から逆算する
「いつまでに・いくら必要か」をまず決め、そこから逆算して手段を選ぶと、自分に合った備え方が見えてきます。商品名から入らず、目的から考えましょう。

④ 子どもの医療

子どもの医療については、多くの自治体に子ども医療費助成という制度があり、通院や入院の自己負担が軽くなります。この公的な助成があるため、手厚い子ども向けの医療保険は必要ないこともあります

ただし、助成の対象年齢や自己負担の有無は自治体によって異なります。まずはお住まいの自治体の制度内容を確認したうえで、足りない部分があるかを考えると判断しやすくなります。

親自身の医療についても、考え方の土台は同じです。公的医療保険には高額療養費という、ひと月の自己負担が一定の上限を超えた分を払い戻す仕組みがあります(高額療養費制度のしくみ)。大きな入院や手術でも自己負担が青天井になりにくいため、医療保険は入りすぎないことが大切です。差額ベッド代や収入が減る分など、公的な制度ではカバーしきれない部分があるかを見て、必要な範囲にしぼって考えましょう。

まとめ

子育て世帯の保険は、「不安だから全部入る」のではなく、公的保障をふまえて、必要な分だけにしぼるのが基本です。親の死亡保障は遺族年金を前提に不足分だけ、働けなくなったときは傷病手当金や障害年金をふまえて足りない分を、教育費は目的から逆算して手段を比べ、医療は高額療養費や自治体の助成を確認する。この順で考えると、ムダなく備えられます。

そして、いちど入って終わりにしないことも大切です。子どもの成長や働き方の変化に合わせて必要な保障は移り変わっていきます。年に一度など時期を決めて、今の暮らしに合っているかを見直していきましょう。