この記事でわかること
  • 子どもが巻き込まれやすい場面と、怖がらせずに備える考え方
  • いざというときの合言葉「いかのおすし」と、危ない場所の見方
  • SNS・ゲームでの注意点、防犯ブザーやGPS、家庭での約束ごと

子どもが巻き込まれる犯罪

子どもは、連れ去りや声かけ、つきまといといった被害に巻き込まれることがあります。とくに、登下校や遊びの時間などひとりになりやすい場面は、声をかけられたり後をつけられたりしやすいとされています。

大切なのは、過度に怖がらせることではありません。「知らない人はみんな怖い」と教えるのではなく、「こういうときはこうする」という約束として、ふだんから身につけておくことが、いざというときに子どもを守ります。ここでは、警察庁や文部科学省が示している基本的な考え方を、やさしく整理します。

合言葉「いかのおすし」

全国で広く使われている防犯の合言葉が「いかのおすし」です。知らない人に声をかけられたときに、子どもがとっさに思い出せるよう、5つの行動を語呂合わせにしたものです。家庭でも、くり返し口にして覚えておくと安心です。

合言葉意味こんなとき
いか知らない人について「いかない」「お菓子をあげる」などと誘われても、ついていかない
知らない人の車に「のらない」「乗っていかない?」と言われても、車に乗らない
「おおごえ」を出すあぶないと感じたら、大きな声で助けを呼ぶ
「すぐにげる」その場からすぐに、人のいる方へ逃げる
大人に「しらせる」逃げたあと、家の人や先生など大人にすぐ知らせる

「いか」は行かない、「の」は乗らない、を表します。声かけが必ず犯罪につながるわけではありませんが、迷ったら離れて知らせることを約束にしておくと安心です。

言葉で覚えるだけでなく、「もしこう言われたらどうする?」と、ふだんの会話のなかで一緒に考えてみると、子ども自身が動けるようになります。大声を出す練習や、防犯ブザーを鳴らす練習をしておくのもよい方法です。

危ない場所を一緒に確認

被害は「人」だけでなく「場所」とも関わります。一般に、入りやすく、まわりから見えにくい場所は注意したいとされています。次のような場所は、子どもと一緒に歩いて確認しておきましょう。

  • 人通りや見通しの悪い道:細い路地、塀や植え込みで囲まれた道など。
  • 公園のトイレ、駐車場:人目につきにくく、ひとりになりやすい場所。
  • 留守の家やビルの陰など:周囲から声が届きにくい場所。

通学路を一緒に歩きながら、「こども110番の家」や、お店・交番など逃げ込める場所を確認しておくと、いざというときに子どもが迷わず動けます。「あぶないと思ったら、ここに駆け込んでいいよ」と具体的に伝えておくことが大切です。

一緒に歩くと、見え方が変わる
大人にとって何でもない道でも、子どもの目線では見えにくかったり、心細かったりします。実際に一緒に歩いて、危ない場所と逃げ込める場所を確かめておくことが、いちばんの備えになります。地域の不審者情報は、自治体や学校からの連絡もあわせてご確認ください。

SNS・ネットの危険

近年は、外だけでなくインターネットを通じた被害にも注意が必要とされています。オンラインゲームやSNSで知り合った見知らぬ人とのやり取りが、誘い出しや、自分の写真を送らされる被害につながることがあると指摘されています。

  • 個人情報や写真を送らない:名前・学校・住所や、自分の写真を知らない相手に渡さない。
  • 知らない人と会わない:ネットで知り合った人と、勝手に会いに行かない。
  • 家庭でルールを決める:フィルタリングを使い、使う時間やアプリ、困ったときの相談を約束に。

ネットの危険そのものについては、ネット詐欺・悪質商法から身を守るもあわせて参考になります。共働きなどで子どもがひとりで過ごす時間が長いご家庭は、共働き家庭の子どもの見守りで留守番のルールや道具も確認しておくと安心です。

道具と家庭の約束

道具と約束を組み合わせておくと、いざというときに役立ちます。むずかしく考えず、「持つもの」と「決めごと」を家庭で一つずつ整えていきましょう。

  • 防犯ブザー:ランドセルなど見える位置につけ、いざというとき鳴らせるように。電池が切れていないか、ときどき確認しておきます。
  • 必要に応じてGPS:居場所が分かる端末を活用する家庭も増えています。ご家庭の方針に合わせて。
  • 出かけるときの約束:「どこで・誰と遊ぶか」を伝える、帰宅時間を決める、困ったらすぐ大人に言う。

そして何より、ふだんから子どもの話をよく聞き、いつもと違う様子に気づける関係が、いちばんの守りになります。「今日こんなことがあった」と話せる雰囲気をつくっておくことが大切です。地域ぐるみの見守りについては、見守りの工夫もヒントになります。

まとめ

子どもを犯罪から守る基本は、怖がらせるのではなく、約束として身につけることです。合言葉「いかのおすし」を覚え、危ない場所と逃げ込める場所を一緒に確認し、SNSやゲームでの注意を家庭のルールに。そして防犯ブザーや約束ごとを整え、ふだんから子どもの話に耳を傾ける——この積み重ねが、子どもの安全を支えます。

参考:警察庁、文部科学省、お住まいの自治体・学校。地域の不審者情報は自治体や学校の連絡もご確認ください。緊急時は110番へ。

子どもが毎日を安心して過ごせるように。その小さな備えを、あんしんくらしがそっとお手伝いします。